売却しづらい農地の売却方法と費用をご紹介
近年、農家を取り巻く状況はますます深刻化しています。
「跡継ぎがいない」「相続したけれど農業する気はない」という理由で売却を考える方が増えていますが、農地法の制約で宅地のようには簡単に売却できません。
本記事では、農地を売却する前に知っておくべきポイント・売却方法・費用をご紹介します。
農地売却は難しい?なぜ売却しづらいの?
農地は国内の食料自給率を維持、向上させる保護目的のため、売却しづらいです。
農地法という厳しい制限があり、用途は耕作と決められているため、原則的に農家以外には売れません。
もし、宅地や駐車場として農家以外の方に売却したい時は、土地の用途を転用できるか否かが重要なポイントになってきます。
土地の転用するためには、所有する農地を管轄する農業委員会の許可を得なければいけませんが、後述するさまざまな条件がある上、買主側にも条件が求められます。
農地として売る?転用して売る?農地売却する方法と流れ
農地売却には「農地として売る方法」と「農地を転用して売る方法」の2種類があり、農地として売る方法は地目変更手続きがいらず税金面で優遇があります。
農地のまま売却するときの流れ
農地のまま売却するには以下の手順を踏む必要があります。
●農地従事者である買い手を探す
●売買契約を結ぶ
●農業委員会に売買許可申請を提出
●所有権移転請求権の仮登記・本登記
一方、転用して売る方法は、手続きや条件が厳しく費用はかかりますが、高く売れる可能性があります。
すべての農地に転用が許されるわけではなく、「立地基準」と「一般基準」の2つの審査をクリアしなければいけません。
農地を転用して売却する流れ
農地を転用して売却するには以下の手順が必要です。
●同意後売買契約を結ぶ
●農業委員会と相談・協議
●農業委員会、もしくは都道府県知事に転用許可の申請を提出
●所有権移転請求権の仮登記・本登記
もし、所有している農地が大規模開発区域内、または市街地に近い場合は、この方法を選びましょう。
農地売却にかかる費用相場・税金
費用相場は以下のとおりです。
●仲介手数料:売却価格×3%+60,000円+消費税
●ローンの抵当権抹消費用:土地1件につき1,000円・行政書士費用約30,000円
●測量の費用:土地1件につき約350,000円〜450,000円
●転用手続き費用:市街化区域内約100,000円・市街化区域外約160,000円
●登記費用:約40,000円
その他、調査・工事費用として、土地汚染調査や水道引込工事にそれぞれ数十万円、古家の解体が必要な場合には数百万円必要となります。
税金には、印紙税・登録免許税・譲渡所得税・復興特別所得税があります。
なお、農地の売却代金には消費税はかからず、特別控除が存在します。
まとめ
農地の売却には、農地として売る方法と、農地を転用して売る方法があります。
複雑で厳しい制約をクリアし、許可が必要なため、宅地よりも売却しづらい不動産取引です。
農地売買実績が豊富な不動産会社に相談しながら、農地売却する前に知っておくべきポイント・売却方法・費用を理解し、一つ一つ着実に手続きを進めてください。
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